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月の揺りかごで出会った三人
Substackを始めた頃、私は誰かと出会うことを期待していたわけではなかった。
ただ、書きたかった。
病院で見たこと。 歳を重ねて気づいたこと。 誰も気づかない小さな違和感。
消えてしまいそうな感情を、観測記録として残したかった。
だから最初は、独り言のようなものだった。
でも、不思議なことが起きた。
その静かな場所で、三人は出会った。
黒い服を着た私。
誰かの気持ちの温度にそっと寄り添えるRIKAさん。
そして、虹色の笑顔を連れてくる、
そあの。
年齢も、住む場所も、歩いてきた人生も違う。
もしSubstackがなければ、一生出会わなかったかもしれない。
それなのに、記事を書き、コメントを交わし、「分かります」と言葉を返し合ううちに、アイコンだった誰かは、少しずつ大切な誰かになっていった。
SNSでは、数字が価値になる。
フォロワー数。 いいねの数。 登録者数。
もちろん、それも大切なのだと思う。
でも、本当に嬉しかったのは、「読んでいますよ」と言ってくれる人がいたことだった。
誰かの言葉が、自分をもう少し書き続けようと思わせてくれたことだった。
この絵を見るたびに思う。
月の揺りかごの中で、三人が寄り添って眠っている。
誰かが誰かを救っているわけではない。
ただ、少し寄りかかれる距離にいる。
疲れた時に休めて、嬉しい時に笑い合えて、「またね」と言える距離。
それだけで、人はずいぶん救われるのだと思う。
人生には努力して手に入れられるものがある。
知識。 経験。 肩書き。
でも、出会いだけは少し違う。
偶然のように訪れて、後から振り返った時に、「あれは奇跡だったのかもしれない」と気づく。
私はSubstackに、読者だけを求めていたわけではない。
でも、書き続けた先で思いもよらない贈り物を受け取った。
それが、この三人の出会いだった。
これから忙しくなって、言葉を交わす機会が減る日もあるかもしれない。
それでも、同じ月を見上げながら「元気にしているかな」と思い出せる誰かがいる。
それは、とても幸せなことだ。
Substackは、ただ記事を投稿する場所ではなかった。
知らない誰かが、友人になっていく場所だった。
孤独だった夜に、小さな灯りがともる場所だった。
そして、「人はまだ、人とつながれるのだ」と思い出させてくれる場所だった。
世界を変えるような出来事ではない。
でも私にとっては、確かに大切な出来事だった。
月の揺りかごで出会った三人のことを、これからも静かな宝物として覚えていたい。


